ドン・キホーテが「ジャングル陳列」を捨てた? 30~50代女性の本音"安くても汚い店は嫌"を受け……新業態で狙う全国400商業施設の"空白地帯"

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「ターゲットは、家事や仕事で忙しい30〜50代の女性。スーパーでの買い出しついでに最短ルートで自分へのご褒美が手に入る店舗を目指した」

そう語るのは、出店を主導した竹田友頼氏(PPIH 新規業態開発本部 小型業態プロジェクト マネージャー)。今回の出店の背景には、「ドンキ未経験層」を確実に取り込むためにデータが導き出した緻密な戦略が隠されている。

「国内には、当社の小型業態を出店できるポテンシャルを持つ“年商50億円以上の主要商業施設”が約438カ所ある。しかし、現在出店中なのはわずか22施設。残り400施設以上の膨大な出店余地があることが、今回の新業態開発の大きな動機だった」

「ジャングル探索」を捨て、タイパとコスパを追求

既存の小型業態「キラキラドンキ」は、顧客の9割をZ世代が占める。そのため、ファミリーモールの主力客層である30〜50代女性を獲得が不十分といういう課題があった。また、ビッグデータを用いた分析でも、ショッピングモールを利用していながら既存のドン・キホーテに足を運んでいない「新規客」が数多く存在することが判明した。

竹田氏は「同質業態のオフプライスストアが急拡大する中、当社の『仕入れ力』を生かせば、さらに大きなシェアを奪える勝機がある」と確信をのぞかせる。

「Re:Price」は、従来の「圧縮陳列」や「ジャングル探索」というドンキの方程式をあえて崩し、タイパ(時間対効果)とコスパを極限まで追求している。長時間の滞在を前提とした「時間滞留型」に対し、短時間で効率よく買い物を済ませられる「短時間型」の店舗設計に舵を切った。さらに在庫限りの「スポット品」を主軸に据えることで、常に変化する「宝探し感」を演出する。

店内の様子
価格と商品が分かりやすく陳列されており、タイパよく買い物できる(写真:PPIH)

「30〜50代の女性層は、家計管理の役割を担うケースが多く、コスト意識が非常に高い。限られた時間で楽しく買い物できる体験を提供することが、Re:Priceの役割だと考えている」

一方で、安売り業態特有のネガティブなイメージを払拭する工夫も施されている。

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