ルンバのiRobot、中国企業傘下で再出発へ。創業者は「悲劇」、現CEO「過剰設計だった」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

コーエンCEOが指摘した「過剰設計」の問題も、Piceaとの垂直統合によって解消に向かう可能性がある。マーケットの動きに合った製品を、より効率的に開発できる体制が整うからだ。

「今まで委託会社だったので、彼らはすべての技術を開示していなかった。それが全部開示されるようになった。じゃあこういう製品があったらいいんじゃないか、スペックはこうしようか、という話がもう始まっている」

中国企業の傘下に入ることへの懸念については、東芝やシャープの例を挙げた。東芝の白物家電事業は中国・美的集団の傘下だが、ブランドは東芝のまま。シャープも台湾・鴻海精密工業の傘下だが、シャープとして事業を続けている。iRobotも同様に、ブランドは維持され、本社もアメリカに置かれる。ユーザーデータもアメリカのAWSに保存される体制は変わらない。

統合はもう始まっている

発表翌日の25年12月17日には、Piceaの創業者とGMが早くも来日し、アイロボットジャパンのオフィスを訪問した。山田社長によれば、社員全員と面会し、夜は食事を共にしたという。

「彼らの専門性はものづくりと開発。我々の専門性はマーケティングと販売。どう販売しなさいという話はない、一緒にビジネスを伸ばしていこう、という力強いコメントをもらった」

iRobot ルンバ
25年4月に発表されたルンバの新製品ラインナップ。垂直統合後、このラインナップがどう変わるか注目される(筆者撮影)

25年4月に掲げた「30年までにクリーナー市場シェア20%」という目標についても、「前倒しで達成できるのでは」と自信を見せる。

「悲観的なことは100%ない。むしろ膿が出たと思っていただいたほうがいい。社員はみんな笑顔しかない」

創業者は「悲劇」と呼び、現CEOは「過剰設計だった」と振り返り、日本法人は「再出発」と語る。次の答え合わせは製品だ。価格帯をどこに置くのか、機能は市場に寄せるのか思想を貫くのか。垂直統合は、ルンバの中身を変える。

石井 徹 モバイル・ITライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事