ルンバのiRobot、中国企業傘下で再出発へ。創業者は「悲劇」、現CEO「過剰設計だった」

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外部要因に帰す創業者と、内部要因も認める現経営。両者の見解は交わらない。では、再出発の設計図は誰が描くのか。

「作れないiRobot」と「売れないPicea」

iRobotはブランドと販売網を持つが、製造力がない。Piceaは製造力はあるが、自社ブランドの販売網がない。両社が組む以外に、再建の選択肢はほぼ残っていなかった。

Piceaは16年に中国・深圳で設立されたロボット掃除機のODMメーカーだ。中国語の社名は「杉川機器人」、日本語に訳せば「杉川ロボット」となる。従業員7000人以上、特許1100件超を擁し、年間400万台以上を生産する。iRobotだけでなく、Dyson、LG、Shark、Roborockなど世界の主要ブランドに製品を供給してきた。中国メディア・南都湾財社のインタビューで、PiceaのCEO呉沢暁氏は「高価格帯ロボット掃除機の10台中3台は杉川製」と語っている。業界最大の黒子である。

アイロボットジャパンの山田毅社長は25年12月18日、筆者の取材に応じた。創業者の見解をどう思うかと尋ねると、こう答えた。

「コメントしかねる。それがなければ違うiRobotがあったかもしれませんが、たらればの話をしていてもビジネスは回りません。現実を見つめながら前に向かっていくしかない」

過去の責任論には踏み込まず、再出発に目を向ける。山田社長はPicea傘下入りの意味をこう説明した。

「傘下というより、垂直統合です。Piceaはもともと製造委託会社。流通部門を持っていない。我々は製造部門を持っていない。補完関係にある2社がくっついた。かつて日本のメーカーは自社で部品を作り、製品を作り、販売していた。その垂直統合型のビジネスになるということです」

iRobot アイロボットジャパン 山田毅
アイロボットジャパンの山田毅社長(同社提供)

Piceaの強みについても語った。

「PiceaはモップもLiDARセンサーも全部内製している。世界で一番生産台数が多いロボット掃除機メーカーだ。そことタッグを組むことで、コスト力も製品開発力も変わってくる」

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