50年ぶり復活「キングセイコー」が現代人に刺さったワケ 「グランドセイコー」と並ぶ2大ブランドへ、セイコーが仕掛けた再定義

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筆者はバッグやアパレルブランドも取材するが、ファッションの世界では国産ブランドを支持する人も多く、昔に比べて“舶来志向”が薄れたと感じている。

「時計の世界はスイスブランドが評価されて現在も人気があります。セイコーはそれに伍する商品開発をするとともに、一方で共存共栄の関係です。世界最大の時計見本市である『ウォッチズ・アンド・ワンダーズ』では新作発表を行いつつ、時計業界の発展のために意見交換をしています」

スイス時計にはない独自の技術も

セイコーの独自性は、例えば「スプリングドライブ」だ。機械式腕時計に用いられるゼンマイを動力源としつつ、クォーツ式腕時計の制御システムを利用して高精度を実現させたもので、スイス時計にはない技術だという。グランドセイコーにも搭載されている。

「当社にとって腕時計は、『時を知るための道具』だけでなく、『所有者の方の人生に寄り添う相棒やパートナー』です」

社長の内藤昭男氏の言葉を引用しつつ、「時計は欲しいから買う時代。欲しいものを出さないとブランドとして生き残れません」と危機感もにじませる。

人気の高いキングセイコーが今後も支持されるのか。その解は「消費者との対話」にしかないだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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