50年ぶり復活「キングセイコー」が現代人に刺さったワケ 「グランドセイコー」と並ぶ2大ブランドへ、セイコーが仕掛けた再定義

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かつてのセイコーは数十のブランドが林立し、消費者からは違いが見えにくかった。

2010年頃からそれを見直し、各ブランドの個性を際立たせつつ再構築。2017年にはグランドセイコーを独立ブランド化した。この流れが、キングセイコーの復活にもつながった。

キングセイコー
銀座の店舗では多くの外国人客がキングセイコー目当てに来店するという(撮影:梅谷秀司)

世代よりも嗜好で支持される

高級腕時計には文字盤(表面)のロゴで主張するブランドも多い。例えばロレックスやオメガは時計好きでなくても、ロゴ=ブランドという視認性がある。

現在のキングセイコーは、上に「SEIKO」が表示されており、「KING SEIKO」は下に少し小さい文字で記されている。

キングセイコーを支持するのは、さりげなさを求める中年以降の世代が多いのか?

「世代よりも嗜好の部分が大きいですね。若い世代でもレトロ感やクラシック感のあるデザインを好む方はおられます。また、機械式時計ならではの駆動音や針の精緻な動きを支持される方は多いです」

腕時計に対する時代性もあるだろう。日本経済が好調な時代は派手なデザインも支持され、いかにも高そうな時計を身に着ける人も目立った。今はそうした姿勢では周囲が引いてしまう。それだけ消費者が成熟したのかもしれない。

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