絶滅危惧種のウナギを「これからも食べられる」と喜ぶ日本人に欠けた視点
上のグラフは、ウナギの稚魚の採捕数量(青・水産庁推計)と採捕報告数量(赤・都道府県)の推移です。報告数量よりも実際の採捕量が多い(推定)状態が、毎年続いています。24年、23年ともに3割もの差があります。
水産流通適正化法により、今月(25年12月)から、アワビ・ナマコに続いて、罰則(3年以下の懲役または3000万円以下の罰金)が適用されました。ただ「厳格化」といっても、3000万円以上ではなく「以下」なので、まだまだ罰則は緩いのかもしれません。
国産・輸入の双方で密漁や密輸入が疑われているウナギ。ワシントン条約の会議で日本は、ニホンウナギは絶滅の恐れはないと反発し、EUの提案は科学的根拠を欠くとも主張しました。果たしてそのとおりなのか、実際の漁獲量の推移を見て考えてみましょう。
ウナギの稚魚の漁獲量は明らかに減っている
次のグラフは、ウナギの稚魚の漁獲量推移を示しています。100~200トン程度獲れていた頃は、クロコという少し成長した稚魚が入っていた可能性があると補足されています。しかしながら、現在はそのクロコという数字を入れたとしても、明らかに減っています。
また21年(令和3年)から、ウナギの稚魚の輸出が解禁されました。このため、報告と実際推定数量の差異には、輸出分が含まれるといった補足があります。
しかしながら、ウナギの稚魚は高価で、仮に1トン輸出されていたら軽く10億円を超えることになります。それがなぜ輸出データに出てこないのかといえば、輸出自体がほぼされていないからだと想像できます。クロコや輸出といった曖昧な補足が出てくると、本質がぼやけてしまいそうになります。



















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