「中国は完全無人タクシーが当たり前」深センでは961台が走り、日本は延々と実証段階──技術・規制・資本の差が生むギャップとは

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トンネル内を時速80kmで走行中
トンネル内を時速80kmで走行中。タブレットには残り5.7km、到着まで14分と表示されている(筆者撮影)

トヨタとソフトバンクの共同出資会社モネ・テクノロジーズも、東京臨海部で実証を継続し、2025年8月からは豊洲側にも運行範囲を広げている。ただ、ここでも中心はレベル2の枠内での検証だ。

資金面でも差は大きい。ティアフォーの累計資金調達額は約296億円とされるのに対し、Pony.aiは累計で10億ドル(約1500億円)超と報じられてきた。技術の完成度だけでなく、規制環境と資本の厚みが、事業化の速度差として表れている。

技術・規制・スピード、すべてで差

深圳の夜、完全無人のタクシーは何の問題もなく目的地に到着した。配車待ちの長さや、法定速度厳守による時間のかかり方といった課題はあるものの、技術的な完成度は想像以上に高い。

日本でライドシェアすら議論が進まない中、中国では無人タクシーが日常の風景になりつつある。日本政府は2025年度に50カ所、2027年度に100カ所以上での自動運転サービス導入を目標に掲げているが、Pony.ai一社だけで既に4都市961台を展開している中国とは、スケールが桁違いだ。

技術開発、規制緩和、事業化のスピード。深圳の夜の体験は、この3つすべてで日本が後れを取っている現実を突きつけた。

石井 徹 モバイル・ITライター

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いしい とおる / Toru Ishii

1990年生まれ。神奈川県出身。専修大学法学部卒業。携帯電話専門媒体で記者としてのキャリアをスタート。フリーランス転身後、スマートフォン、AI、自動運転など最新テクノロジーの動向を幅広く取材している。Xアカウント:@ishiit_aroka

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