通常のタクシーの半額程度で利用できる、自動運転によるサービスが始まった。普及加速は必至だ。
1000台規模の本格的な「無人タクシー」の運用が湖北省武漢市で始まった。形式上は「実験」だが、対象地域は同市の7割に達し、利用回数は150万回を超えた。タクシー運転手からは収入減を訴える声も出始めており、自動運転モビリティーサービスは事実上、実用化の時代に入った。
同市で事業を展開するのは中国のIT大手、百度(バイドゥ)。2013年から自動運転の開発に着手しており、同市は最大の実験場だ。すでに数百台が稼働中で、今年5月には中国の商用車大手、江鈴汽車(江西省南昌市)と共同開発した最新車両を年末までに1000台投入すると発表した。
武漢市は人口1377万人。「スマートコネクテッドカー実験区」は13の行政区のうち、すでに12区をカバーする。特定の条件下でシステムがすべての運転タスクを実施する「レベル4」の自動運転が許可された「実験開放道路」の総距離は3379キロメートルに達している。
特定の道路のみを走行
同市の無人運転車両は、中国のメディアでも「タクシー(出租車)」と表現され、本稿でも「タクシー」と表記しているが、厳密な意味での「タクシー」ではない。というのは、この車両は事前に指定された「実験開放道路」しか走れないからだ。
利用者は配車アプリで、乗車地、降車地とも、あらかじめ設定された多数の地点の中から選択し、乗降車する。つまり基本的には「最寄りの広い道路上から、目的地近くの広い道路上まで」乗ることになる。通常のタクシーのように「ドア・ツー・ドア」で移動する交通機関ではない。例えて言えば、「オーダーメイドの個室路線バス」みたいなものだ。
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