「中国は完全無人タクシーが当たり前」深センでは961台が走り、日本は延々と実証段階──技術・規制・資本の差が生むギャップとは

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車両には9基のLiDAR、14基のカメラ、4基のミリ波レーダーなどを搭載。360度全方位を監視し、650m先まで認識できる。

屋根に搭載されたセンサーユニット
屋根に搭載されたセンサーユニット。9基のLiDAR、14基のカメラ、4基のミリ波レーダーを装備(筆者撮影)

信号機の色や残り秒数も把握しているが、これは信号機からの直接通信ではない。カメラでの視覚認識と地図会社・四維図新から提供される高精度地図情報を組み合わせた結果だ。

遠隔監視センターでは、技術的には1人で30台を監視できる水準に達している。ただし地方政府の規制により、実際の監視比率はそれより厳しく制限されている。

現在、Pony.aiは北京、上海、深圳、杭州の4都市で合計961台を運行中。2025年末には1000台、2026年末には3000台への拡大を目指している。料金は通常のタクシーと同額に設定されており、12.9kmの移動で32.8元(約660円)だった。日本なら3000円以上かかる距離だが、中国の物価を考慮しても競争力のある価格だ。

Pony.aiの深圳オフィス受付
Pony.aiの深圳オフィス受付。pony.aiのロゴとマスコットが並ぶ(筆者撮影)

中国政府は料金を通常タクシーと同額にするよう規制している。「人間より安くしたら失業する」という配慮だという。将来的には人手不足を補う形で普及していくのだろう。

配車の操作自体はUberやDiDiと変わらない。アプリで目的地を入力してタップするだけだ。ただし配車待ち時間は13〜15分程度かかることが多く、通常のタクシーアプリと比較すると長い。車両台数が需要に追いついていない証左だろう。

グーグル出身者が創業、ナスダック上場

Pony.aiは2016年12月、米国シリコンバレーで創業した。CEOの彭軍氏は清華大学からスタンフォード大学に進み、グーグルで7年勤務後、百度米国研究センター創設メンバーおよび自動運転部門の首席アーキテクトを務めた。CTOの楼天城氏は清華大学在学中にプログラミングの世界大会で12年連続中国1位を獲得し、百度の自動運転技術委員会首席を務めた経歴を持つ。

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