これまで、百度にとって検索広告事業はキャッシュフローの柱だった。だが百度の営業キャッシュフローを見ると、検索ビジネスの低迷により、4~6月期には動画配信サービス「愛奇芸(iQIYI)」を除くコア事業は8億6400万元(約190億円)の流出超過を記録した。
7~9月期には営業キャッシュフローは流入超過に戻ったものの、システム投資を中心とする33億7800万元(約750億円)の資本支出が重荷となり、フリーキャッシュフローでみると、依然として18億5500万元の流出超過だった。
クラウド部門は21%増収
一方、百度のAI大規模言語モデルの収益化の要であるクラウド事業(百度智能雲)は好調だ。7~9月期の事業収入は前年同期比21%増の65億元と、同四半期に34%増収を達成した阿里巴巴集団(アリババ)のクラウド事業に伸び率では及ばなかったとはいえ全社的にみると好調な業績を上げた。
百度は直近の7~9月期からクラウド事業の収益開示区分を見直し、3つの事業分野に分けた。1つは、企業・公共部門向けの「AIクラウド・インフラストラクチャー事業」。7~9月期の収入は同33%増の42億元だった。
2つ目は「AIアプリケーション事業」。これにはオンラインでAIを使った文書の検索・閲覧・生成・編集を行う「百度文庫」、クラウド上で大容量のファイル保存・共有・管理ができる「百度網盤」、従業員に代わり各種の作業をAIが代行する仕組みを企業に提供する「数字員工(デジタル社員)」などのアプリケーションを含んでいる。収入は同6%増の26億元(約570億円)にとどまった。
3つ目は、人間が具体的に指示をしなくてもAIが必要な作業を考えて実行するAIエージェント事業を柱とする「AIネイティブ・マーケティングサービス事業」。収入は28億元(約620億円)と、同262%の急成長となった。百度は6月、エネルギー、交通、自動車、医療、環境保護などの業務分野別にカスタマイズしたAIエージェント群を発表するなど、この事業を積極展開している。
(財新記者:劉沛林)
※中国語原文の配信は11月29日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら