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朝ドラ「ばけばけ」小泉八雲「地獄です」 "結婚"理由に新聞社を解雇されたワケ

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  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)
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思えば、ハーンの青春時代は苦労の連続だった。早くに両親のもとを離れて大叔母に育てられるも、大叔母が投資に失敗したことで、寄宿学校に通えなくなり、さらに事故で左目を失明。単身アメリカに乗り込んで、路上生活者として暮らす時期もあったが、ここに来て、ついに幸福をつかんだ……かに見えた。

ところが、ハーンは多くの読者に熱狂的な支持を得ながらも、1875年の夏、新聞社から解雇されてしまう。その理由は、黒人との混血だったマティ・フォウリという女性との結婚だった。

解雇の原因となった「結婚」もうまくいかず

ハーンは、自分が記者として安定した生活を送る前に、下宿屋で料理人をするマティと出会い、交際をスタート。2年後の1874年6月に、24歳のハーンは20歳のマティと結婚することとなる。

だが、人種差別が公然と行われていた当時、白人が黒人、あるいは黒人との混血児と結婚することは、オハイオ州の法律で禁じられていた。新聞社から「嘆かわしい道徳上の行為」として解雇されたのは、この結婚が理由だったと考えられている。

ハーンにとって痛手だったのは、生活のすれ違いや文化の違いから、新聞社の解雇通知を受けたときに、すでに結婚生活は破綻していたことだ。その後、ハーンはライバル紙に移籍するも給料は下がり、マティとも離婚することになった。

再び何もかもうまくいかなくなったハーン。だが、これまで人生の辛酸は嫌というほどなめてきた。こんなときにどうすればよいか、ハーンはよくわかっていたようだ。

それは「ここではないどこか」に身を置くということである。といっても、日本を訪れるのはまだ先の話。ハーンはニューオリンズへと移住し、新たな生活を始めることとなる。

【参考文献】
E・スティーヴンスン著(遠田勝訳)『評伝ラフカディオ・ハーン』(恒文社)
遠田勝著「書簡が語る八雲の生涯」『無限大 №88』(日本アイ・ビー・エム)
小泉八雲著、池田雅之編『小泉八雲コレクション さまよえる魂のうた』(ちくま文庫)
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』‎(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
工藤美代子著『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』(毎日新聞出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)

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