幻の天空都市《マチュピチュ》行きの"列車"が大パノラマで驚いた!現地を旅して歴史に触れる「贅沢な旅」

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:もう思い残すことはないわ。

―母さん、散策はこれからだよ!

当時の茅葺の屋根を再現

先生:ここを降りたら、市街地の入り口ですよ。まっすぐ歩くと石切り場です。まだ切りかけの石がゴロゴロ。インカの人々は石の切れ目に木の棒を差し込んで、水で膨張させ、石を割ってから加工したらしいです。

旅する世界史教室
『旅する世界史教室』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

―説明されるとわかるんだけど、よくもまあこんな巨石を切り出したもんですね。

先生:この先は神域。主神殿、神官の館、3つの窓の神殿です。

―見事な石組みで、窓も整然と並んでいますね。

先生:言い伝えでは、インカ帝国初代皇帝マンコ=カパックはこの窓から現れました。往時には茅葺の屋根が施されていたようです。

マチュピチュの建物にはところどころに「出っ張り」があるんだけど、ここに丸太を据えて屋根を茅で葺きました。イチュというイネ科の植物が用いられ、ロープにはリャマの革が使われたということです。

―とかいってると、向こうにリャマの親子が……! かわいくてロープにはできないですね。なんだか、いわくのありそうなオブジェが見えてきましたよ。

旅する世界史教室
(画像:『旅する世界史教室』P.229より)

先生:あれはインティワタナです。「インティ」は太陽、「ワタナ」は結ぶものという意味で、太陽とつなぎとめるもの、つまり日時計のことです。四角の石柱は、角が東西南北を向いていて、暦を読むために設けられました。

さぁ、メインの広場に出てきましたよ。ここにはワイナピチュにのぼるための準備室ワイナラがあった場所で、茅葺の屋根を施して、当時の雰囲気が再現されています。

―ワイナピチュには登りたかったんだけど、予約がいっぱいだったから今回は諦めました。

:今度来たとき登るわ。

先生:本当に実現しちゃいそう……。ワイナピチュへはがっつり登山ですから、準備万端でチャレンジしてくださいね。

旅する世界史教室
(画像:『旅する世界史教室』より)
山本 直人 世界史講師

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やまもと なおと / Naoto Yamamoto

世界史講師。京都市出身。立命館大学の理工学部に進学するも、途中で法学部に転部し、なぜか「満洲の馬政史」を研究する。学生時代からバイトで貯金をしては海外旅行におもむき、卒業後は海外専門の旅行会社に就職。専任の添乗員として年に180日ほど世界各国を飛び回る。添乗員の経験で得た見聞や経験を活かすべく、2015年に世界史講師に転身。四谷学院に出講するほか、2023年からはリクルート「スタディサプリ」で教鞭をとる。世界史を理解するうえで肝となる「いつ(時期)」「どこ(地名)」の情報を起点とし、できごとの「体系化」を意識させる授業が好評を博している。妻と娘、三毛猫と暮らす。趣味は料理とピアノ演奏。X(旧・Twitter)のアカウント「世界史の鳩」では、世界史の魅力を発信している。著書に『この20人でわかる 世界史のキホン』(PHP研究所)、『歴史の流れがパパッと頭に入る! 12のパターンで理解できる もう忘れない世界史』(KADOKAWA)がある。

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