京王7000系「中身は21世紀仕様」いぶし銀の最古参 リニューアルで今も主力「京王線初」のステンレス車

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車両の編成もたびたび変わっている。1984年の登場時に5両編成だった車両はその後すべて1両増結して6両編成となり、その後8両編成、10両編成が造られたほか、短い4両編成、2両編成も登場した。

長い歴史の間には編成の組み替えも行われ、登場時とは番号が変わった車両も少なくない。「ちょうどリニューアル工事が進んでいるころに入社した」という若葉台工場研修担当の蓑祐史さんは、「当時は7000系でも従来の制御方式の車両とVVVFインバーターの車両があり、保守業務では覚えることが多かった。車号も覚えるのは複雑でしたね」と語る。

7726編成
7000系の7726号。10両編成化の際にこの番号に変わった(記者撮影)

2010~2012年にも、それまで8両編成だった車両などを10両編成に組み替える工事が行われた。この際に登場したのが「7777」号車。ラッキー7が4つ並ぶ車両とあって、鉄道ファンには注目の的だ。2025年10月末からは、かつてのえんじ色の帯を再現した復刻塗装の車両も走っている。

「いぶし銀」のステンレス車

21世紀生まれの9000系と近い性能に生まれ変わり、活躍を続ける7000系。だが、完全に近年の新型同様かといえば、やはり「ベテラン車両らしさ」はあるようだ。

京王電鉄車両電気部若葉台検車区
京王電鉄車両電気部若葉台検車区指導技術掛の松浦浩一さん(左)と若葉台工場研修担当の蓑祐史さん(記者撮影)
【写真をもっと見る】京王線初のステンレス製車両7000系。ちょっとゴツゴツしたデザインの「往年のステンレス車」らしい外観やリニューアルされた車内、さらに今は見られない「準特急」や「通勤快速」の種別、7000系は乗り入れない「本八幡」や「岩本町」など都営新宿線の行先を表示した姿、1984年登場時の搬入風景や試乗会などの貴重な光景も

蓑さんは、「検査の際、9000系や最新鋭の5000系はほとんどデジタル化されているので少人数でできるが、7000系は1人1両ずつ、床下で弁類を圧力調整しながらやっていく」という。「手間はかかるけど、なんだか愛おしいですね」と松浦さんは語る。

近年は引退が進み、2025年12月時点では2両編成5本、4両編成4本、6両編成2本、10両編成8本の計118両が活躍する。2026年には新型の「2000系」も登場するが、京王電鉄広報部によると「直近で7000系を廃車する計画は未定」という。

主に各駅停車用として使われた時代が長く、京王線の中ではやや地味な存在として走り続けてきた7000系。だが、京王線初のステンレス車両として登場し、今も新型に伍して主力の一角を担う姿は、まさに「いぶし銀」の実力派といえそうだ。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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