「赤字幅3倍に拡大」でもテスラが強気な理由 イーロン・マスクが会見で伝えたかったこと
11月3日に2015年第3四半期(7〜9月)の決算を発表した電気自動車(EV)メーカーのテスラ・モーターズ。多目的スポーツ車(SUV)「モデルX」の生産について若干の問題を示唆しつつ、セダンの「モデルS」も合わせた今年の生産台数は、予定通り5万台を超える見通しだと強調した。
ここのところのテスラは、一時期の輝きを少しばかり失っていた。7月に280ドルを超えた株価は、25%超下落。モデルSに満点超えの性能評価を与えたコンシューマー・レポート誌は、オーナーの信頼性調査で辛口の結果を報告。出荷が2年遅れたモデルXは、生産目標を達成できるのか投資家とファンの両方から厳しい目を向けられている。
投資家の不安を一蹴
だが、イーロン・マスク会長兼CEO(最高経営責任者)は、モデルXの問題は軽微なものだと言う。テスラが、2つ目の車種となるモデルXの出荷を開始したのは9月末のこと。その生産台数は、年内に週数百台ペースに達すると、マスクは強調した。
「Xで重要なのは生産の拡大だ」と、マスクは四半期決算に関する電話会談で語った。「われわれは毎日着実に進歩している。生産台数に関して、根本的な問題は存在しない。ただ、各障害をどれだけ素早く解決できるかが問題だ」。
テスラによると、7〜9月の生産台数は計画を上回っており、今年の生産台数は5万〜5万2000台に達する可能性が極めて高いという。テスラは少し前、今年の予想生産台数を5万5000台から、5万〜5万2000台に引き下げていた。これは主に、モデルXとそのサプライヤーとの間で問題があるためだった。