学費は年間で約800万〜1000万超、高額でも人気なのには訳が?イギリスの「ボーディングスクール」の魅力と事前に必ず確認しておきたいこと
J PREP代表の斉藤氏も学校が子どもに求めているのは、学校や集団の中でどのような貢献ができるか、どのような役割を果たせるかだという。さらに、もし留学をさせたいのであれば、親元を離れる前に親以外の大人と接する時間をつくることの重要性を訴える。
「イギリスのボーディングスクールは自習時間や探究学習などが多く、自分で考えて行動しなければならない場面も多いです。いきなりそのような環境に放りこまれても、なかなかなじむのが難しい子どももいると思うので、日本にいる間に親以外の大人と接する時間をつくり、大人と対等に話せるようにしておくべきでしょう」(斉藤氏)
費用面や日本語の学びに関する不安も…
子どもにとってメリットの多いイギリスのボーディングスクールでの生活だが、費用は決して安いものではない。
ピッパズ・ガーディアンズによると、プレップスクールで年間約825万円、シニアスクールで年間約1118万円(1ポンド200円〈2025年9月27日現在〉で計算)。そこにイギリスへの渡航費、修学旅行・遠足、医療保険、ガーディアン(身元引受人)手配費、ホストファミリー宅の滞在費などもプラスされる。
現在は円安に加え、25年1月から付加価値税が導入され20%の課税が加わった。学校側は学費を引き下げ、費用が上がらないように努力をしているが、それでもかかる金額は23年に比べて10〜17%ほど上がっている。
問題なのはそれだけではない。子どものころからイギリスで暮らすことで日本語を学ぶ機会が減り、日本語をうまく使えなくなるのではという心配もある。
「子どものうちから留学するならば、その後も日本語を外国語として学び続ける意思が必要です。大学で日本語を第二外国語として習う、日本語のティーチングサポートをする、日本語の先生に個別の課題を出してもらうなど方法はさまざま。日本語との向き合い方はぜひ積極的に考えてほしいです」(斉藤氏)
日本人の中でも、以前よりも情報交換や口コミが増え、イギリスの教育に関心を持つ人が増えた。実際、イギリスのボーディングスクールに通う日本人も増えているが、やはり子ども本人とよく話し合うのはもちろん、こうした費用や日本語に関する課題についても保護者同士でしっかりと話し合っておきたいところだ。
【前編はこちらから】日本の「学力至上主義」とは一線を画す《イギリスのボーディングスクール(寮制の学校)》塾通い必要ない、学校完結型…根強い人気の実際
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら





















無料会員登録はこちら
ログインはこちら