「女子は理系が苦手」はアンコシャスバイアス?批判も多い理系大学「女子枠」拡大の裏で起きている深刻な課題

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大学学部 理工系学部における女性の比率
工学・理学・農学における女性の比率

数学でつまずき、理系進学を諦める…

特に近年力を入れているのが、中学生向けのプログラムだそうですが、その理由は、年々進路選択の時期が早まっていることを実感したからだそうです。

同研究所が2024年に行った「D&I社会実現のための学び方・働き方に関する実証研究」によると、文理のコース分岐は高校2年生で分かれることが多く、高校生の6割が高校1年生までに文理の方向性を決定しており、中でも特に理系を希望する女子高校生は進路決定が早い傾向で、近年さらに早期化していることがわかりました。

また、文系あるいは文系でも理系でもない専攻を希望した女子のうち3割は理系進学を考えた経験があるようです。そして、理系進学をやめた理由として多く挙げられたのが数学でのつまずきでした。

実際、数学が苦手だと早々に理系進学を選択肢から外してしまうケースは昔から女性に限らずあり、これは日本の進路指導の課題とも言われてきました。(「D&I社会実現のための学び方・働き方に関する実証研究」の詳しい資料を見る

しかし、それに加えて女性の場合は、女性のロールモデルが少なく理系大学進学後の具体的な進路を描きにくいという理由のほかに、理工系は男性優位であるとか、頭のよさそうな理系女性はあまり好まれないといったアンコシャスバイアスによって、理系に興味があっても早くから諦めてしまうケースは現にあります。

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