神戸では知る人ぞ知る、阪神電車「創業の立役者」 親子で社長を務めた「小曽根家」との深い関係

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

神戸の財閥といえば現在の双日や神戸製鋼所の源流である旧鈴木商店がしばしば取り上げられる。鈴木商店が日本だけでなく海外にも経営資源を求めるようなビッグビジネスを志向したのに対し、ひたすら地域密着型の小曽根家は対照的だ。

阪神電車神戸三宮駅。阪神本線は左の国道2号の地下を通る。「神戸阪急」が入る阪神三宮ビルは1933年竣工。南海難波駅のターミナルビルと同じ建築家の久野節が手がけた(編集部撮影)
【写真】開業当日の「神戸停留場」や、併用軌道(路面電車)時代の御影駅周辺の貴重な写真と現在を見比べる。かつて「国道線」や「甲子園線」もあった阪神の路線。現在は甲子園球場や京セラドーム…梅田だけでなく難波にも。阪神沿線に何がある?

現在も続く小曽根家の事業

小曽根家は貞松が初代のトップに就いた「本小曽根合資会社」を1921年に設立。小曽根家の資産管理や運用、事業投資を目的とした。鈴木商店はなくなってしまったが、本小曽根合資会社は1982年に『株式会社オゾネ』と会社名を変えて現在も続く。

現在は不動産、雑貨の小売り、生損保の保険代理業に加え、京阪神の企業を対象としてアート作品のレンタル事業に新事業として力を入れる。

株式会社オゾネの小曽根知晃さんに、喜一郎の時代から伝わることがあるか聞くと「『国家・社会の繁栄に寄与しないものには手を出さない』が弊社の経営哲学で、いまもなお実践している」という。

神戸と大阪を結ぶインフラ投資と同様に、地域を豊かにするにはどうするか、に主眼を置いて需要を開拓するビジネスは現代にも生きている。

この記事の画像を見る(45枚)
「鉄道最前線」の記事はツイッターでも配信中!最新情報から最近の話題に関連した記事まで紹介します。フォローはこちらから
山本 学 神戸経済ニュース編集長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Manabu Yamamoto

1999年に金融情報サービスのQUICK入社。グループの日本経済新聞社や日経QUICKニュースで株、為替、債券、短期市場や企業ニュースなど市場周辺の担当記者だった。2018年に独立してニュースサイト「神戸経済ニュース」を運営開始。神戸市の企業や、兵庫・神戸の経済動向をカバーする。何かと騒がしい兵庫県庁も取材対象だ。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事