「探究学習で子供の学力が低下?」教育現場でささやかれる説は本当か 日本の教育界で繰り広げられる"終わりなき"論争とは

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しかし、2000年代に入ると国際学力調査(PISA)での順位低下が話題となり、「ゆとり教育が子供の学力を下げた」という批判が噴出。結果として、再び学力重視へと舵を切る「学力回復路線」に転換していきます。

つまり、「詰め込み型」→「思考力型」→「詰め込み型」という“教育の振り子”現象が発生したわけです。

センター試験→大学入学共通テストは“思考力的”に変容

この流れの中で、もう一度2020年に入ってから、「詰め込み型」から「思考力型」の教育への揺れ戻しが起こっています。それが、今紹介している探究学習と、20年度に導入された「大学入学共通テスト」です。

それまでのセンター試験が知識の正確さを問う傾向にあったのに対し、共通テストでは、文章・図表・データを組み合わせて自ら考える「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題が大幅に増加しました。

たとえば国語では複数資料を照合して要旨を導く問題が登場し、数学でも日常的な文脈から問題を設定するケースが増えました。「社会は知識問題のままだろう」という予想も、最近の「世界史」「日本史」などの科目を見ていると、知識のみの問題が大幅に減っています。

導入以前は、教育関係者から「共通テストになっても、そんなにセンター試験の問題と変化がない内容になるのではないか」という意見も多かったのですが、蓋を開けてみれば、知識だけで解ける問題が減り、本当に頭を使わないと解けない問題が増え、かなり変化した印象でした。

探究学習を意識した問題も増えていて、学習の1つのゴールである大学入試が大きく「思考力的な教育」に寄った出来事だったと言えます。

こうした共通テストの変化に関しても「センター試験の方が良かった」という批判も集まっていて、これも「思考力型」から「詰め込み型」への揺れ戻しの1つだと言えるでしょう。

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