〇お金が持つ3つの自由~その論理的帰結~トウシル「ホンネの投資教室」から
山崎さんいわく。お金の強みは本来、その自由度にある。お金はその持ち主の意図に従うし、多過ぎて困るということはない。金額がいくらであっても、その性質が変わるということもない。つまり「持ってる人は勝ち」なのだ。
こんなとき、世にあまたいる金融アドバイザーたちは、「こうあるべきです」「運用はこうでなければなりません」みたいなことを言う。そうでないと商売にならないからだが、それは本末転倒である。お金の本質に変化はない。だったらなるべく手近に置いておくほうがいい。人生に残された時間が有限であると意識し始めたら、なおさらである。
ところが、である。確定拠出型年金を一時金で受け取ったとして、それをどういう形で運用するか、という次の問題が生じることになる。現金のままで寝かしておくのは得策ではない。どんどん目減りしてしまうからだ。今のように毎年2~3%で物価が上がる経済とは、貯金が毎年2~3%ずつ減価することを意味する。これは意外に大きな問題なのである。
わずか2年で「防衛費の誤差1兆円!」という異常事態
ここでひとつだけ高市新政権に対し、つまらないツッコミを入れさせてもらおう。防衛費のGDP比2%の目標を前倒しすると言っているけれども、あれはどの年のGDPを指しているのだろう?
防衛費の2%目標が打ち出されたのは、2022年12月に岸田内閣が「防衛3文書」を閣議決定したときであった。その年の2月、ウクライナ戦争の勃発によって、わが国の安全保障環境が激変したことに対応したものであった。ということは、2022年度のGDPを指していたはずである。あの年の名目GDPは567兆円なので、2%は11.3兆円に相当する。
ただし防衛費とは、今、もしくは将来にかけて使われるものである。なるべく直近の数値を使うべきであろう。2024年度の名目GDPは615兆円なので、その2%は12.3兆円ということになる。12.3兆円から11.3兆円を差し引くと、差額はなんと1兆円。おいおいおい、諸物価高騰と円安進行もあいまって、わずか2年で「誤差が1兆円」という異常事態が発生しているのだ。


















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