〈ハンズフリーシューズ激戦期〉チヨダの"スパっと履ける靴"が大ヒットした裏側 「手を使わずしっかり履ける」で差別化、累計500万足販売へ
他社と差別化すべく、スパットシューズは当初から「手を使わずにしっかり履ける」点を重視して開発が進められた。想定したターゲットは、小型の靴べらを持ち歩くような60代以上のシニア男性だ。

スパッと履けるようにするため、かかと部分に靴べら状のパーツを入れる構造を採用し、角度の調整を繰り返した。機能を優先すると、かかとが目立ってしまう点はネックだった。また、足で靴のベロを巻き込まないようにする、強度を保つなど、さまざまな部品のバランスをとり、仕上げていったという。
22年3月、ベーシックなスニーカーなど6種類のスパットシューズを発売すると、売れ行きは想像を超えていた。他方で、店頭で接客するスタッフには「女性向け商品はないのか」という声が多く寄せられた。たしかに、子育て中だと手が離せない場面も多い。妊婦ならかがむ姿勢も一苦労だ。
チヨダはすぐさま開発を開始。女性向け商品はデザインも重視し、かかと部分をより目立たないよう注意して作っていった。同年12月に発売にこぎつけ、販売を伸ばしてきた。
競合他社もハンズフリー商品を拡充
ハンズフリーに商機あり。競合他社も黙ってはいない。それぞれ商品を投入し、勝負に出ている。あるチェーンの関係者は「ハンズフリーや防水機能を持つPB商品が好調。もっと広げたい」と話す。
チヨダはスパット機能をほかのブランドの商品に搭載するなど、さらなる拡大を狙う。「今上期は過去最大の伸びとなった。ブーツタイプの発売やビジネスシューズの拡充など、価格帯も含め、バリエーションを広げ開発を加速させる」(町野社長)。
ハンズフリーと言えばスパットシューズ、消費者にそう認知してもらうことがチヨダの一大目標だ。大ヒット商品をさらに定着させ、リピーターと新規層を呼び込む原動力にできるか。商品開発はもちろん、マーケティングの工夫も今後のポイントになりそうだ。
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