"失われた30年"の構造的問題は《東大26位》に凝縮されている! 世界大学ランキングが示す日本が「デジタル敗戦」から抜け出せない根本原因

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東京大学
東京大学も世界の大学ランキングでは26位にとどまる。しかし、日本人の感覚に近い「別のランキング」も存在する。2つのランキングの違いから、日本の低迷が続く理由が見えてきた(撮影:梅谷秀司)
イギリスの教育誌による最新の「世界大学ランキング」では、1位から10位までがアメリカとイギリスの大学だけで占められた。トップ100を見ると、中国の大学がいくつも登場する。一方、日本の大学は2校のみだ。
ところが、同ランキングの「プレステージ(威信)によるランクづけ」では日本の大学の順位が高くなる。日本国内における日本の大学の評価も「プレステージによるランクづけ」に近い。プレステージが高く評価されすぎることが、さまざまのバイアスを生む原因になっているのではないか――。野口悠紀雄氏による連載第158回。

トップ100の半分近くがアメリカとイギリス

イギリスの教育誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)は10月9日、2026年版の世界大学ランキングを発表した。アメリカとイギリスが上位をほぼ独占している。トップ10を見ると、アメリカが7校、イギリス3校だ。この状況は毎年ほぼ変わらない。

11位以降を見ても、アメリカとイギリスが多い。アメリカは、11~20位が6校、21~30位が5校、31~40位が1校、41~50位が4校、51~60位が1校、61~70位が3校、71~80位が4校、81~90位が2校、91~100位が2校なので、結局100位までに35校ある。

イギリスは、11~20位がゼロ、21~30位が2校、31~40位が1校、41~50位がゼロ、51~60位が2校、61~70位がゼロ、71~80位が1校、81~90位が1校、91~100位が1校で、100位以内が11校となっている。

両国を合計すると46校で、上位100校の半分近くになる。

11位以降には、中国の大学が登場する。とくに清華大学(12位)と北京大学(13位)は教育・研究の両面で高い評価を得ている。それに続いて、50位までに3校、100位までにさらに2校の中国大学がある(100位以内に計7校)。

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