〈独自〉金融庁が「保険代理店クリイト」に立ち入り検査、別法人設立による経費削減スキームにメスか、「品質の高い代理店」認定停止の可能性も

金融庁と近畿財務局が、大阪市内に本社を置く保険代理店クリイトに対し立ち入り検査を実施していることがわかった。クリイトの複数の関係者が明らかにした。
クリイトは生命保険24社、損害保険9社の商品を取り扱う乗り合い保険代理店で、北海道から鹿児島県まで30超の営業拠点を展開している。
規模急拡大で体制整備が追いつかず
関係者によると、クリイトは営業拠点の一部を別法人化し、別法人やそこにぶら下がる営業社員(募集人)に対する金銭の支払いや管理系統を複線化するスキームを開発。
このスキームによって、社会保険の負担を実質的に抑え、募集人が手に取る報酬が増えることをアピールし、同業の代理店から拠点ごと募集人を引き抜くなどして急成長していた。
事実、クリイトが抱える募集人は2025年8月時点で665人おり、4年前に比べて8倍にも膨らんでいる。こうした急速な規模の拡大によって、適切な募集人管理体制の整備が追いついていない状況だという。
場合によっては、同スキームが「社会保険の潜脱行為」とみなされたり、募集業務の「再委託禁止」をうたう保険業法の趣旨に照らして不適切と判断されたりする可能性もある。
実は24年以降、こうしたスキームを問題視する声が業界内で高まっていた。そのため、クリイトの生命保険における代理申請会社(幹事会社)のオリックス生命保険が、今夏から実態を調べるため検査に入っていた。
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