【難関大合格者数3ケタ】創立241年、福岡の名門校・修猷館の強さに迫る!先生が1年間生徒になる独自の研修で磨く指導と、生徒の「語る文化」とは?
1年生は「創志研修(3日間)」の一部で、金子堅太郎(伊藤博文内閣で農商務相、司法相を務め、大日本帝国憲法の制定や日露講和の中心として活躍)などの卒業生の偉業を学び、修猷の歴史に関する教材を通して歴史について理解を深めます。さらに、過去の在校生や先生が寄稿した雑誌「修猷」の記事を読み、生徒たちで感想を共有します。
―― 25年度は九州大学の合格者が136人と、全国でトップでした。
松隈真一朗・進路部長(化学) 現役合格者は100人で、3桁に上ったのは30年以上ぶりのことです。また現役・浪人あわせて東大は12人、京大は17人合格しました。生徒たちがよくがんばってくれましたね。
2年から文系・理系に分かれますが、その中には医学部を目指す「医学部進学クラス」、難関国立大を目指す「英数クラス」があります。いずれも成績に関係なく本人の希望です。本校は入試対策よりも、普段の授業を大切にしています。実績は、生徒たちが志高く努力していることに尽きますね。
―― 柱となる授業について、修猷館ならではの特徴は。
渡邊 私は物理担当ですが、授業を通して物理の面白さ、サイエンスの本質を伝えていきたい。修猷館には生徒同士で教え合う土壌があり、放課後に生徒が黒板に向かいながら、数学や物理など解き合っている場面によく出会います。
得意な生徒が先生になって教える、「修猷生講座」も、われわれ教員の知らないところで、勝手に開かれているようです(笑)。自主的にこうした動きがあるのは本校らしいですね。
コロナ禍のときも私たちがオンライン授業のプラットフォームをつくっている間に、卒業生が3年生に授業を行っていましたね。教え合いは、本校の文化だと思います。
松隈 単にわかりやすい授業ではなく、あえて難しい要素をちりばめた授業をすることで、生徒の頭の中にたくさんの「?」をつくるようにしています。生徒たちは疑問に思ったことを調べ、それでもわからなければ放課後に生徒同士で話し合ったり職員室まで質問に来たりしますね。自主的に学ぶ楽しさを感じてほしいと思います。
教員が1年間、別の教員の授業を受ける
―― 質の高い授業を行うために、先生方はどのような工夫をされていますか。
坂本隼也・教務部長(化学) 「年間聴講制度」という、教員が別の教員の授業を生徒と一緒に1年間受けるという、本校独自の取り組みがあります。



















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