柔軟な勤務体系で育児支援--女性社員の活躍を後押しする小倉屋柳本

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「当事者は押し並べて仕事の能力が高く、続けたいとの意欲があった。また周囲からも期待が高く、退職されては困るという意見が多く挙がっていた。そこで、個別の事情に合わせて対応をする体制をとってきました」(柳本副社長)。

例えば、保育園や幼稚園の送り迎えの時間や、小学生の子の帰宅時間に間に合うように勤務時間を短縮して対応した。

だが、個別の対応には課題が生じた。送迎時に子連れで会社に来る社員も珍しくなく、周囲に混乱を招いたこともあった。また、一部の社員だけが、特別な処遇を受けていることに反発する声も挙がった。それでも、優秀な女性社員が辞めるよりは、続けてほしいという意見が圧倒的に多かった。

そこで、これまでの取り組みをより明確に示すことで周囲の理解を深め、利用しやすいものになると考え、09年に制度化を図った。それが定時社員制度だった。

「従業員同士がそれぞれの事情を理解し合い、互いに協力態勢をとろうとする意志があった。当社の事業規模だからこそ実現できた制度とも言えます」(柳本副社長)。

女性営業職が誕生

定時社員制度からは思わぬメリットも生まれている。05年に人事改革の一環として営業職に初めて女性を登用したところ、予想外の実績を挙げた。それまで女性が起用されなかった理由は「結婚や出産、育児などの理由で、女性はいつ辞めるかわからない」という男性社員の不安があったからだ。

だが、同制度があることで、仕事と家庭を両立することが可能になり、女性社員が長く勤務を続けることができるようになった。周囲の不安も解消され、女性社員を採用する態勢が整ったのである。今ではマルヤナギの営業は、女性なしでは成り立たないほど女性が活躍している。

「さまざまな部署で女性が活躍し、会社が女性の活力で成長していることは間違いない。若い世代の女性も長く勤められるような職場環境の整備を目指したい」と柳本副社長。子供を産み育てていく女性社員のために、今後は事業所内に託児所を開設したいと考えている。

(ジャーナリスト:町田雅子=東洋経済HRオンライン)

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