タイパ重視の時代に必要な変化とは…ターザン山本が提唱する、令和の"プロレス道場"のあるべき姿

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若者気質に応じた変化の必要性は会社組織もプロレスも同じだという(写真:sasaki106/PIXTA)
100人の練習生がいれば生き残るのは3人ぐらい。かつての新日本プロレスの道場ではそんな過酷な選手の育成方法が当たり前だった。そう振り返る、元『週刊プロレス』編集長のターザン山本氏ですが、いっぽうでそうしたやり方は今の時代には通用しないともいいます。
タイパを重視する令和の時代にあって、ターザン山本氏が提唱するこれからの「プロレス道場」のありかたとはどんなものなのでしょうか。『アントニオ猪木と新日本「道場」最強伝説』に収録された同氏のコラムから、一部を抜粋・編集してお届けします。

プロレスの原点は道場にあるという「思想」

週刊プロレスで「道場論」を連載していた時、東スポのある記者から「あれ、いいねえ。面白いところに目をつけたね」とお褒めの言葉をいただいた。

私と東スポはある意味、敵対関係にあったのでびっくりしたことを覚えている。「道場にイデオロギー性を持たす」。そういう発想はそもそもそれまでのマスコミにはなかった。

プロレス団体は人気が爆発し興行成績が飛躍的に伸びると、レスラーもフロントも"その気"になってしまう傾向がある。早い話、浮かれてしまうのだ。そこがまた水商売の面白いところでもある。

興行成績の飛躍的上昇とその団体が本来持っている求心力は比例するとはかぎらない。多くの場合、人気が出ると内部空洞化現象が起きる。これはプロレス団体の宿命でもある。そして、残念なことに新日本もそうだった。

初代タイガーマスクのデビューをきっかけに、新日本ブームが爆発。そして猪木がつくり上げた新日本道場、ストロングスタイルは堕落。少なくとも私はそう感じた。

道場の精神、ポリシーがおざなりになっていった。そうなってはならないという私の中での危機感が週プロで「道場論」を始めたもともとの動機だった。

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