
マツダはいま、企業として難しい選択を迫られている。
トランプ関税を踏まえた生産体制調整や、先行き不透明な電動化市場への対応など課題は多い。
そんな中、毎年恒例の「MAZDA FAN FESTA 2025 at FUJI SPEEDWAY(以下:マツダファンフェスタ)」を取材した。
会場内を巡ると、マツダを愛する人たちから「どんなことがあっても、マツダにはこれからもずっと元気でいてほしい」という応援のメッセージが聞こえてくる。

一方で、マツダによる各種アトラクションや出展物を見ていると、例年以上に“ロータリー推し”をしているような印象を受けた。
たとえば、モノづくり体験「ロータリーエンジンの構造・機構を知ろう」コーナーでは、現役エンジニアによる「MX-30 ROTARY-EV」で導入した新型ロータリーエンジン「8C」の技術説明や、子どもも体験できるロータリーエンジン模型の組み立て体験が人気だった。

初代「ロードスター(NA)」と3代目「RX-7(FD)」の展示では、ドライバーズシートに座る体験に長い列ができていた。
また、マツダファンフェスタで恒例となっている歴代レーシングカーのデモランも行われ、ロータリーエンジン独特のサウンドが、富士スピードウェイに響きわたった。
こうした今回の“ロータリー推し”を「第2回ジャパンモビリティショー(一般公開10月31日~11月9日)」で公開が噂される「RX-9コンセプト」への布石と見るのは、少々強引な解釈だろうか。
「8」ではなく「7」後継としての「RX-9」
時計の針を少し戻すと、2023年の「第1回ジャパンモビリティショー」で世界初公開となった「MAZDA ICONIC SP(アイコニックSP)」は、来場者はもとよりグローバルで大きな話題となった。

その際、役員クラスの複数のマツダ幹部は「皆さんの声をしっかりと受け止めて、今後の対応を真剣に考えていく」という見解を示していた。
仮にアイコニックSPが量産モデルへと進化した場合、RX-7後継となるRX-9を名乗るのが妥当ではないか。そんな声が、ファンの間から聞こえてきた。
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