「RX-9」登場の布石か? "ロータリー推し"が目立つマツダの今を深掘りした

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西本さんがマツダへ譲渡した「RX-7」。大事に乗られてきたことがわかる(筆者撮影)

――ハイパワーなスポーツカーですが、どのようにお使いだったのでしょうか?

 西本:最初のころは高速道路なども走っていましたが、仕事を辞めてからは買い物グルマになりました。

――RX-7はクルマそのものの良さもありますが、マツダに対する思いもありましたか?

 西本:クルマは好きなんですが、どのモデルがどのメーカーだとは特に気にせず、ただカッコいいということで、セブンを買ったわけです。マツダの良さを実感したのは、(セブンを)譲渡することにしてからなんです。

最初、長崎の放送局の取材で、(セブンの)引き取り手を探していると申し上げたところ、全国から400数十通のメールが来ました。その中で、マツダの田中さんからのメールが私の心に響いたんです。

西本さんと「RX-7」とのストーリーが綴られたパネル展示(筆者撮影)

マツダの「モノづくり」、そして「RX-9」への期待

「マツダの田中さん」とは、マツダで広報シニアエキスパートを務める田中秀昭氏である。

エンジン設計、先行商品企画、商品企画、デザイン本部アドバンスデザインスタジオなど、各領域での豊富な知見がある人物だ。

田中氏によれば、マツダとしてFDの広報車をずっと探していたとのこと。

マツダは自動車メーカーとしてはめずらしく、歴代モデルを走行できる状態で広報用に所有している。たとえば、「ロードスター」はNA/NB/NCがあり、ロータリーではRX-8などがある。

本社の展示スペースに置かれたマツダ所有の「NAロードスター」(筆者撮影)

このうち、NAロードスターの1台は、90歳の女性から譲渡されたもの。そこに80歳の西本さんのFDが加わることで、田中氏は「クルマを通じて元気に生きる女性の原動力の象徴になるのではないか」と感じたという。

また、これはマツダが企業のパーパス(目的)として掲げる「前向きに今日を生きる人の輪を広げることにもつながる」と田中氏は言う。

こうした話を聞いて、次期RX-9がいつどのような形で世に出ようとも(あるいは出まいとも)、マツダの「人」への思いを込めたモノづくりは継承されるのだと信じようと思った。

なお、マツダは10月14日、ジャパンモビリティショー2025への出展概要を発表した。それによれば、日本で導入予定の新型「CX-5」(展示はヨーロッパ仕様)、「走る歓びは、地球を笑顔にする」というテーマを具現化した「ビジョンモデル」を世界初公開することがわかった。

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RX-9を想起させるモデルの記載はないが、マツダはサプライズでワールド・プレミアを行うことがある。

果たして、RX-9に直結するモデルの発表はあるのか。期待を持って開幕を待ちたい。

【写真】マツダファンフェスタ2025の“ロータリー推し”な展示や催し(10枚)
桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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