(3)「プレゼン技術」による情緒性で評価してしまう
アイデアの内容ではなく、情に訴える、共感性を高めたプレゼンで安易に感動してしまい、評価してしまうことが多くあります。プレゼン技術がいくらあって共感を集めても、結局のところ自ら実践する覚悟がなければ、それは単なるホラ吹きにほかなりません。
このような視点でアイデアを評価してしまうため、実際に地域に必要な課題解決など、厳しい実践力が求められる提案は出ませんし、お花畑思考の域を超えないものばかりになっていきます。
実践と失敗を通じて「本当の知恵」は生まれる
本当に地域に必要なのは、思いつきのアイデアなどでは決してありません。地域において賛否両論の中でも小さく取り組みを始めて積み上げ、さまざまな制約条件をクリアし、結果として「成果」といえるものを残すことが大切なわけです。そして何より、実践の中には失敗が伴います。その失敗から学び、再挑戦する中で、本当に地域の抱える課題を解決しうる、現実味のある「本当の知恵」が生み出されます。
会議室に集まり、皆で褒め合うような意味不明なアイデア会議ばかりをしていて、地域が再生するのであれば、もう何十年も前に再生しています。本気で事業に取り組む方は、現場に集中するため、できるだけ実践なきアイデア出しの会議には誘われても出席しないほうが得策です。
最初は地味で馬鹿にされ、途中で失敗などすると、多くの人は「ほら見たか」と罵られることもありますが、その後に成果が伴えば人々の評価は確かなものになります。一方で、派手な新規性のある提案を、勢いよくやっていたとしても、それが時間を経て地域にとってはまったく良いものではなかったことが明らかになる取り組みもあります。
地道でもしっかりと成果を積み上げていくことでしか、地域は変わりません。そのような試行錯誤の先に生み出される、その地域独自の「本当の知恵」を生み出すことこそ、今、地方に必要なことです。
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