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「店長年収最大2000万円制度」で話題のトリドール、執念込めた『丸亀製麺』のスピリット体感施設オープンで香川県民との"雪解け"が進行中?

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  • 谷頭 和希 都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家
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ただ、ここでもトリドールは、「企業版ふるさと納税」や長年にわたる地域との関係性構築といった現実的(かつ泥臭い?)手法で、抽象的なまま終わらせていないのである。

「店長年収2000万円」話と同じように、「そろばん勘定の立つ綺麗事」がなされているわけだ。

綺麗事を綺麗事で終わらせないために

今でも、香川県民の中にはトリドールや丸亀製麺をよく思っていない人はいるだろうし、こうした一連の取り組みが必ずしも肯定的に評価できるともかぎらない。「心の本店」については、喉から手が出るほど欲しかった「企業の創業ストーリー」を「金で買った」と穿った見方をすることも十分可能だ。それに、「年収2000万円店長」も成功するかどうかはわからない。

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それでも、あえてここで私がトリドールの試みを肯定的に書くのは、SDGsやCSRの流行で大量に世の中にある「綺麗事」が、本当に抽象的なまま実行されていないのが残念だからである。

本来、その「綺麗事」を達成するには、泥臭い関係性の構築や、巧妙な経済的な仕組みが整っていないといけないはずで、成功するかしないかは一旦脇に置くにしても、その努力はすべきではないか。

その点、トリドールはそのシステムの構築に腐心しているように見える。そのための「心的資本経営」でもある。だからこそ、肯定的に語りたいのだ。

その意味でも、トリドールのこの試みがどのようになっていくのか、トリドールはどこに向かっていくのか、注視していきたい。

【合わせて読む】『丸亀製麺』のトリドール、「店長年収最大2000万円」異例の"神制度"誕生のナゼ 背景にある「心的資本経営」を紐解くなかで見えてきた狙いとは

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