「店長年収最大2000万円制度」で話題のトリドール、執念込めた『丸亀製麺』のスピリット体感施設オープンで香川県民との"雪解け"が進行中?

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それにもかかわらず、「丸亀」の名称を使っていることに、少なからぬ香川県民はよく思っていなかった。いわば単にブランディングのために「丸亀」の名前を良いように使っているだけでしょう、と。

筆者は現在、丸亀と東京で二拠点生活をしており、現地の人と話す機会も多いが、冗談ではなく丸亀(のみならず香川)において「丸亀製麺」という単語はタブーだったらしい。

こうした「反・丸亀製麺感情」は、こんな事件も引き起こした。2011年の「カマタマーレ讃岐スポンサー辞退」事件だ。香川のサッカーチームである「カマタマーレ讃岐」に対し、トリドールがスポンサー契約を持ちかけたのであるが、カマタマーレ側は香川県民の反発が起きることを恐れ、この申し出を辞退。

さらに2013年、トリドールがロサンゼルスのうどん店「丸亀MONZO」に対し、商標の問題から「丸亀」の看板を降ろすように迫った。県内では「お前が言うな!」状態で、ますます関係性は悪化する(ちなみにこの件は後に和解したらしい)。

この時点で、「心的資本経営」の観点からいえば、香川県民の「心」はまったく幸福でなかったといえる。というか、激オコである。地域貢献どころか、地域を荒らしている。

「讃岐の製麺所」を模した「心の本店」が丸亀に

ところがどっこい、である。2024年11月、丸亀市の離島である広島に、丸亀製麺が「心の本店」をオープンしたのだ。

筆者は、この「心の本店」を見せてもらった。ここは社員研修施設で、トリドール、特に丸亀製麺で働く従業員に対して香川の昔ながらの製麺所の「スピリット」を体感してもらう施設である。ここでもまた「心」である。

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