宇都宮の「渋滞名所」、LRT開業後どう変わったか 車から通勤客移行で大幅改善?交通量増えた橋も
私が初めて柳田大橋を訪ねたのは2023年8月21日月曜日の朝7時前後。ライトライン開業の5日前だった。橋は4車線で収容力は大きいが、車線は両方向とも混雑。とくに工業団地への通勤が多い西岸→東岸の車線は渋滞がひどく、車がほとんど動いていない状態だった。柳田大橋の東側で鬼怒通りに接続する道路も、信号待ちの長い列ができあがっていた。
そしてライトラインが開業2周年を迎えようとしていた今年2025年の8月18日月曜日、再び柳田大橋を訪ねてみた。前回と同じ時間帯に柳田大橋を見てみると、2年前は渋滞が激しかった西岸→東岸の車線はやや混雑しているものの、渋滞の列はときどきできる程度でしかなかった。東岸→西岸の車線もかなりの余裕がある。鬼怒通りに接続する南側の道路は信号待ちの長い列が消滅していた。


「柳田大橋」の交通量は大幅減少
軌道交通を整備する目的としては、利便性の向上や沿線のまちづくりなどに加え、道路交通の改善も挙げられる。輸送力が大きく定時性の高い軌道交通を整備すれば、自動車から軌道交通への転換による道路交通量の減少と渋滞緩和が期待できる。

宇都宮市はライトラインの整備目的について、道路の渋滞対策としては位置付けていない。「人口減少・少子超高齢社会に対応したネットワーク型コンパクトシティを実現していくため」とし、まちづくりの意味合いが強い。
ただ、栃木県や宇都宮市は1997年に「鬼怒川を渡る柳田大橋と新鬼怒橋は、ラッシュ時は渋滞している(中略)そこで、自家用車にかわる公共交通を整備して、環境対策や渋滞解消をめざしていく」(1997年7月17日付『建設通信新聞』)として新交通システムの検討委員会を設置し、これがライトラインの整備につながっている。
柳田大橋などの渋滞緩和が当初の目的のひとつだったことは確か。実際に柳田大橋の様相が一変したのをみると、渋滞緩和に一役買っていることは明らかに思えた。
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