宇都宮の「渋滞名所」、LRT開業後どう変わったか 車から通勤客移行で大幅改善?交通量増えた橋も
なお、市街地部の交通量はライトラインの併用軌道がある鬼怒通り(陽東地区)でコロナ禍前の2015年10月29日が2万3534台。LRT工事のため車線規制が行われた2021年10月28日は大幅に減って1万7212台だった。ライトライン開業後の2023年9月14日も回復せず1万5604台で、2021年に比べ1600台ほど減少した。
一方、鬼怒通りの並行ルートで新鬼怒橋につながる国道123号(石井町)は、2015年10月29日が1万8090台。2021年10月28日は1万7866台の微減だった。ライトライン開業後のデータはないが、新鬼怒橋の交通量から考えると大きな変化はないだろう。市街地部では鬼怒通りから別の道路に転移した自動車が少なく、ライトライン利用に切り替えた人が多いのかもしれない。

「東」の経験を「西」に生かせるか
ライトラインは現在、宇都宮市の西側地域への延伸計画が具体化し、事業化まであと一歩のところまできている。ルートは宇都宮駅東口―教育会館前(仮称)間の4.9km。宇都宮駅東口停留場から高架軌道でJR線と立体交差して宇都宮駅の西口に入り、その後は宇都宮駅から西に延びる道路を進む。

西側延伸区間はJR線との立体交差部を除き、ほぼ全区間が併用軌道。沿線は古くからの市街地だ。比較的近年に発展し、道路から独立した専用軌道もある東側とは異なる難しさもあるだろう。実際、宇都宮市の8月の報告によれば、予定ルート上の地下埋設物の延長は東側の7倍程度。その半分程度は移設が必要という。開業時期もこれまで2030年を目指していたが、2025年9月時点では未定だ。事業費や工期への影響は避けられそうにない。
渋滞対策協による交通量の報告は、東側開業区間の交通量の推移について「交通量減少理由の一つとしてLRTへの転換が推測される」としている。ただあくまで「推測される」だから、関係機関による継続的な調査に期待したい。そして東側の「経験」を生かし、西側延伸計画の徹底した精査と対策を行ってほしいところだ。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら