宇都宮の「渋滞名所」、LRT開業後どう変わったか 車から通勤客移行で大幅改善?交通量増えた橋も
鬼怒川をまたぐ橋の交通量は、ライトラインの開業前後でどう変化したのだろうか。昨年2024年3月、栃木県や宇都宮大学などで構成される宇都宮市東部地域渋滞対策協議会の第6回会合が開かれており、市街地部の道路や鬼怒川渡河部3橋(板戸大橋・柳田大橋・新鬼怒橋)について平日昼間12時間の交通量が報告された。
柳田大橋の場合、コロナ禍前でライトライン関連工事が行われていなかった2015年10月29日が3万2138台。コロナ禍でライトライン工事中の2021年10月28日は2万7627台だった。一方、ライトライン開業から3カ月後の2023年11月28日は2万6088台。2015年から6050台も減少し、コロナ禍の2021年と比べても1600台近く減っている。

ほかの橋の交通量は増加
しかし、柳田大橋から北へ約1.7km離れた板戸大橋は逆に増加。2015年10月29日は1万412台、2021年10月28日は1万376台で大きな変化はなかったが、2023年11月28日は1万4806台で約4400台増えた。ちなみに新鬼怒橋は2015年、2021年、2023年のいずれも大きな変化はなく、約2万3000台で推移している。
渡河部3橋の合計でみれば2015年から1400台近く減っており、自動車からライトラインの利用に切り替えた人が一定数いるのは確実だろう。一方で自動車のまま柳田大橋から板戸大橋の利用に切り替えた人も多そうだ。しかも板戸大橋は2車線で混雑が悪化しており、2023年度から4車線化の事業に着手。2024年5月に着工式が行われ、2027年度の使用開始を目指している。
先に述べた通りライトラインは柳田大橋を除いて鬼怒通りに併用軌道を敷設している。自動車の利用者としては、電車も走る道路はできるだけ使いたくないという心理が働いて鬼怒通りの利用を避けるようになり、結果的に柳田大橋を経由せず板戸大橋を通る自動車が増えたのだろうか。だとすればライトラインによる渋滞解消の効果は限定的になるが、コロナ禍による変動もあいまって判断が難しい。
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