投資のターゲットにしたのが「SiC(炭化ケイ素)パワー半導体」の増産だ。材料にシリコンを使う従来型のパワー半導体に比べて高い電圧にも耐えられ、電力消費も少ない。こうした特徴からEVへの搭載が進んでいる。
「2025年度にSiCで世界シェア30%のトップになる」。2023年にロームは、SiC関連の売上高を年率50%以上ものペースで引き上げる計画をぶち上げ、設備拡大に突き進んだ。
ロームを襲った2つの誤算
だが、そこから2年で早くも状況は一変する。需要サイドでは、EV市場の成長が急速に鈍化。さらに供給サイドでも、大きな構造変化が起こった。中国勢の台頭だ。
SiC市況は完全に崩れた。2024年度末にはSiC向けの工場を中心に、ロームは303億円の減損損失を計上した。
ロームはリストラの断行やSiCでの勝ち残りだけでなく、東芝との提携深化など国内パワー半導体業界全体での生き残りも模索する必要がある。課題は山積している。
