「バンジージャンプを怖がる友人」「高級時計の購入を迷う顧客」にかけるベストなひと言とは? 驚くほど人が動く"ボトルネック"を意識した伝え方
まず、最終的に伝えたいことを決めます。その逆算で、反対になる意味の言葉を使って文章をつくり、その2つを合体させます。
・反対の意味:「これまで料理を褒めたことがなかった」
・合体させる:「人生で人の料理を褒めたことがない。でも、これはおいしい」
・反対の意味:「入りたいと思える会社が1つもなかった」
・合体させる:「就職活動で魅力的な会社に出会えなかったけど、御社の取り組みを知って、初めてここで働きたいと思えた」
参考までに、9・11アメリカ同時多発テロ事件直後のジョージ・W・ブッシュ元大統領のスピーチの一部を意訳します(大変痛ましい事件でしたが、この内容を象徴する言葉なのでご紹介します)。
人気のなかった大統領が、この力強いメッセージを国民に届けたことにより、支持率が史上最高レベルまで跳ね上がりました。
この見事な「前振りギャップ構造」で、消沈する国民を勇気づけました。
「ボトルネック理論」〜背中を押すより障害物を排除〜
友だちがバンジージャンプで飛び降りる直前に怖がってフリーズしています。どう伝えたらジャンプできるでしょうか?
B:「ここから過去に1万人が飛んで、怪我や事故はゼロだって」
人によるのかもしれませんが、私ならBのほうが飛ぶ気になります。
実際に人に何かをしてもらうためには、無理に押すのではなく、障害となっているものを取り除くだけでいいというケースがあります。
この障害はマーケティング用語で「ボトルネック」と呼ばれています。ボトルの細くなっている部分が「詰まり」になって、流れや動きを止めてしまうのが由来です。
NIKE、Google、Appleなどでコンサルを請け負うジョーナ・バーガー氏が著書『THE CATALYST』(かんき出版)の中で、このような内容のことを述べています。
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