「バンジージャンプを怖がる友人」「高級時計の購入を迷う顧客」にかけるベストなひと言とは? 驚くほど人が動く"ボトルネック"を意識した伝え方

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・“観戦ではない。目撃するのだ。”(クレディセゾン/サッカー日本代表スローガン)
・“結婚しなくても幸せになれるこの時代に私は、あなたと結婚したいのです。”(リクルート/ゼクシィ)
・“人生に失敗はあったって、失敗した人生なんてないと思います。”(『大豆田とわ子と三人の元夫』/カンテレ)
・“一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ。”(ニール・アームストロング)
・“髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。”(孫正義)

これらの言葉が、もし後半の意味合いだけだったら弱い印象になってしまいます。前半の文章が、後半を強調する役割をしているのがわかります。

一度落ちることで、その後、高くジャンプするイメージです。

「フリとオチ」や「伏線と回収」が効果的なワケ

これはお笑いの「フリとオチ」にも構造としては似ています。前振りがあることで、その後のオチがより面白くなります。映画やドラマで使われる、「伏線と回収」も近い役割です。

脚本家によってはラストシーンからさかのぼって書いていく、という人もいます。それはクライマックスで盛り上げるための仕掛けを、前半につくることができるからです。

映画『リトル・ダンサー』では、主人公の男の子がバレエをすることに反対だった父親が、ついに応援することを決意したシーンで観客の涙を誘います。

映画の前半では、男らしさにこだわる父親の姿、炭鉱でストライキのリーダーとして奮闘する姿が丁寧に描かれます。これが伏線(前振り)です。後半で、ストライキを自ら破って息子のバレエ教室入学の費用を稼ごうとするシーンがあります。これが回収(ギャップ)です。

伏線があるからこそ、回収の展開がより活きて、感動を呼ぶのです。

では、伝えるときに、この構造を具体的にどうつくっていくのか? これは意外と簡単にできます。

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