本当に政権奪取を目指しているのか? 永田町界隈でささやかれる立憲民主党「新体制」の《ガチ度》
そうした状況を踏まえて、同党は参院選から1カ月半以上が経過した11日に野田代表が新体制の人事をまとめ、同日午後の両院議員総会で正式に決定した。代表を続投した野田氏周辺は、若手の抜擢などで刷新した新執行部について「政権奪取を目指す新体制」(野田氏側近)と胸を張る。
今回の人事における最大の焦点は、党運営の要となる幹事長に誰を選ぶか、だった。
野田氏周辺では一時、同党立ち上げの中心人物で、党内の最大勢力のリーダーでもある枝野幸男元官房長官を幹事長に就ける案も浮上した。しかし、「両雄並び立たずで、挙党体制よりも党の分断につながりかねない」(党長老)という懸念が拭えず、最終的に衆院予算委員長として辣腕を振るってきた安住氏が選ばれた。
確かに安住氏は、衆院予算委では30年ぶりとなる野党委員長として随所で存在感を発揮。「公平・中立な委員会運営で与野党から評価されてきた」(安住氏側近)のは間違いない。
11日午後の新執行部就任会見で、安住氏よりも先に報道陣との質疑を終えた野田代表が「前座は終わります」と退出しようとした際には、安住氏は「戻ってこなくていいよ、しゃべりにくいから」とタメ口でからかい、笑いを誘うなど、早くも“役者ぶり”をアピールした。
ただ、安住氏については「昔は党内で“ちびっこギャング”と揶揄されたように、大衆受けを狙った独断専行が目立っていた」(党長老)という声も付きまとう。それだけに、自らが担う国会対応や政策協議で「安住氏の言動が混乱要因になりかねない」(自民党の国会対策担当者)といった指摘も少なくない。
若手の大抜擢に交錯する「期待」と「不安」

大抜擢で政調会長に就任した本庄氏については「政策については党内随一の勉強家で、しかも他党の政策担当者とも誠実に協議してきたことで高い評価を得ている」(国民民主党幹部)とされる。とはいえ、「当選2回で経験不足は否めず、今後の政局にも大きな影響を及ぼす物価高対策や減税実施の可否などで指導力を発揮するのは困難」(立憲民主党の閣僚経験者)とみられるのが“不安の種”だ。
一方、同じ当選2回の吉田氏の代表代行、渡辺創氏の広報委員長就任については「党の将来を担う人材で、今後のほかの野党との調整で汗をかき、政界での知名度を上げられれば、次期衆院選の『党の顔』にもなりうる」(政治ジャーナリスト)と評価・期待する声も出ている。
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