中国AI半導体カンブリコン「爆速成長」の背景事情 半期売上高が1年で44倍超、米中対立が追い風に

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カンブリコンは事業の急成長と黒字化により先行投資のステージを抜け出しつつある。写真は同社が開発したAI半導体「思元220」(同社ウェブサイトより)

中国のAI(人工知能)半導体開発企業、中科寒武紀科技(カンブリコン)の業績が目を見張る急成長を見せている。

同社が8月26日に発表した2025年上半期(1~6月)決算では、売上高が28億8100万元(約593億9200万円)と前年同期の44倍超に爆増。一時的な損益を控除した純利益は9億1300万元(約188億2200万円)と、半期ベースで初の黒字化を達成した。

決算報告書からは、カンブリコンの経営が先行投資のステージを抜け出しつつあることが見て取れる。同社のビジネスは地方政府が建設するデータセンターへの依存度が高い。売掛金の回収に時間がかかるため、2024年までは営業キャッシュフローの流出超過が続いていた。

国産AIチップの需要拡大

しかし、ここにきて状況は大きく改善している。2025年上半期の営業キャッシュフローは、前年同期の6億900万元(約125億5500万円)のマイナスから9億1100万元(約187億8000万円)のプラスに転換した。

「この上半期には通信、金融、インターネットなどの各業界で当社製品が大量に採用された。大規模言語モデルやAIアプリケーションの開発企業、高性能サーバーのメーカーなどで本格活用が進んでいる」

カンブリコンは決算報告書の中でそう述べた。ただし同社は、業界別や製品分野別の販売比率などは公表していない。

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