カンブリコンの好決算に、市場は即座に反応した。決算発表翌日の8月27日、上海証券取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」に上場している同社株は前日終値の3.8%高で寄り付き、一時は同10.2%高の1464.98元(約3万201円)まで上昇。取引時間中の過去最高値を更新した。

この1年間に株価は5.6倍超に上昇し、直近の時価総額は約5800億元(約12兆円)に達している。これはカンブリコンが2020年7月に新規株式公開した際の時価総額(約257億元=約5298億円)の22倍以上だ。
とはいえ、最近の株価の急上昇は投資家の期待先行の要素が大きい。直近の4四半期の純利益をもとに算出した株価収益率(PER)は500倍を超えている。
株価にバブルの懸念も
その裏には最先端のAI開発をめぐる中国とアメリカの覇権争いがある。そのあおりでアメリカのエヌビディア製のAI半導体「H20」の対中輸出再開が不透明になり、国産AI半導体への注目と期待がにわかに高まったのだ。

さらに、高性能・低コストのAIモデル開発で名を上げた中国のDeepSeek(ディープシーク)が、8月21日に新モデルをリリースした際に「まもなく発表される次世代の国産AIチップに対応している」と説明したことも、カンブリコンを含む国産AI半導体関連株の思惑買いを誘ったとささやかれている。
株価の急騰を追い風に、カンブリコンは過去最大規模の第三者割当増資の準備を進めている。上海証券取引所が開示した関連資料によれば、同社は最大35名の投資家に対して2087万株を上限とする新株を発行し、最大49億8000万元(約1026億6400万円)を調達する計画だ。
(財新記者: 劉沛林)
※原文の配信は8月27日
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