万科はすでに自力では短期債務の償還ラッシュを乗り切れない境遇にある。決算報告書によれば、有利子負債の残高は6月末時点で3642億6000万元(約7兆4647億円)。そのうち1年以内に期限を迎える短期債務が1553億7000万元(約3兆1840億円)と、全体の4割強を占めている。

中国の信用調査会社のデータによれば、万科が国内市場で発行した公募社債のうち、2025年後半から2026年前半にかけて償還期限を迎えるものが14本ある。それらの元本総額は274億1900万元(約5619億円)であり、残りの短期債務の大部分は銀行からの借入金だ。
政府系株主の“輸血”が頼り
過去半年間、万科は外部からの“輸血”に頼ってデフォルト(債務不履行)を回避してきた。決算報告書によれば、2025年上半期には新規融資と再融資の合計で249億1900万元(約5107億円)を金融機関から調達した。
だが、貸借対照表の変化から推察すると、万科が獲得した新規融資は約30億元(約615億円)にすぎず、残りの200億元(約4099億円)超の大部分が既存債務の借り換えだったもようだ。

これだけでは、国内外で発行した公募社債の償還資金がまったく足りない。そのため万科は、筆頭株主である深圳市地鉄集団(訳注:深圳市国有資産監督管理委員会直属の国有企業)から融資を受けることで危機をしのいできた。
決算報告書によれば、万科に対する深圳市地鉄集団の融資額は2025年初めからの累計で238億8000万元(約4894億円)に上った。一方、同じ期間に万科は累計243億9000万元(約4998億円)の公募社債を期日通りに償還しており、綱渡りの実態を裏付けている。
(財新記者:陳博)
※原文の配信は8月24日
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