モバイルバッテリーはもう不要に? 従来の2倍のバッテリー容量を持ったスマホが海外で続々登場もアップルやサムスンはやらない理由
エレコムが世界で初めて商用化したナトリウムイオンバッテリーは、リチウムより化学的に安定なナトリウムを使うことでより安全かつ広温度に対応している。ただしリチウムイオンバッテリーよりエネルギー密度が低い。そのためスマートフォンに内蔵する小型サイズにするには容量が足りず、現時点ではモバイルバッテリーとして商用化されるにとどまっている。

同様にリン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)バッテリーも市販化されているが、ナトリウムイオンバッテリー同様にエネルギー密度が低い。そしてこれらのバッテリーはいずれも電解液を使うタイプだ。
これらに対して電解液を使わないバッテリーを固体電池と呼ぶ。固体電池は内部が固体のため、くぎを刺しても発火することはない。そのため衝撃や振動環境下に常にさらされる電気自動車(EV)向けに実用化が進められている。
バッテリーの事故対応の規制強化が予測される
固体電池のスマートフォンへの導入が進めば発火や爆発問題は起きにくくなる。だが固体電池もエネルギー容量の低さとコストの高さから、スマートフォン向けサイズになるにはまだしばらく時間がかかるだろう。とはいえ肌身離さず人間が24時間使い続けるスマートフォンやスマートウォッチなど、ウェアラブルデバイスのバッテリー安全対策は今後重要な課題だ。
しばらくはスマートフォン単体のバッテリー容量の大型化は中国やインドなど一部の国にとどまるだろう。その一方でリチウムイオンバッテリーによる発火・発煙事故への対応として他国でも規制強化が予測される。中国では8月1日から機内持ち込みや国内販売する製品に「3C認証(CCC)」が必須となり、規格外製品の流通・使用が厳しく制限されるようになった。
日本のプラタが発売したゲルポリマー(半固体電池)採用のモバイルバッテリーは、切断しても発火しない構造など、高い安全性を持つ次世代設計を実現している。今後はこうした製品の普及も加速するだろう。スマートフォンがAIツールに進化する今、バッテリー技術の進化は単なる容量・性能だけでなく「安全性」を最重要視する時代に本格的に突入している。
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