モバイルバッテリーはもう不要に? 従来の2倍のバッテリー容量を持ったスマホが海外で続々登場もアップルやサムスンはやらない理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さてここまで大容量なバッテリーを搭載するスマートフォンだが、現時点では中国やインドなど一部新興国でしか販売されていない。

たとえばシャオミの「Xiaomi 15 Ultra」は中国では6000mAhのバッテリーを搭載しているが、日本やグローバル市場では5410mAhと使用できる容量が削られている。また透明ボディーが話題のナッシング(Nothing)の「Phone (3)」もシリコンカーボンバッテリーを搭載しながら、インド向けは5500mAh、日本やグローバル向けは5150mAhとなっている。

Nothing Phone (3)
「Nothing Phone (3)」はシリコンカーボンバッテリーだが容量は抑えられている(筆者撮影)

その理由は技術的に製品化が可能であっても、各国の規制や基準により流通制限があるためだ。たとえばアメリカではリチウムイオンバッテリーの輸送規制において「1セルあたり20Wh以下」であれば簡易包装、簡略化した輸送手続きが可能だ。しかしこれを超えると危険物扱いとなり、当別梱包や書類が必要なだけではなく、数量制限も課せられる。

一般的なスマートフォンのバッテリーは定格電圧が3.7Vであり、これに容量の5000mAhをかけると18.5Whとなり規制値以下となる。グローバル市場向けのスマートフォンのほとんどが5000mAhのバッテリーを搭載しているのはこの理由だ。

このようにアップルの最上位モデルのiPhone 16 Pro Maxが5000mAh以下のバッテリー容量であることも納得がいくだろう。これはサムスンも同様であり1つのモデルを全世界共通仕様で販売するため、この規制のためにバッテリーの高容量化が行えないのだ。

また、もう1つの理由として、シリコンカーボンバッテリーはスマートフォン向けとして商用化の歴史がまだ浅い。劣化や変形などの長期的な信頼性や安全性もまだ未知数であり、積極的に採用しにくいという面もある。超大型バッテリー搭載のiPhoneが登場するにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

発火しないバッテリーの開発も進む

リチウムイオンバッテリーは内部に電解液を含む可燃性液体があり、またリチウム自体の化学特性もあり、正しく扱わなくては過熱、短絡、衝撃などによる発火や爆発の危険性を秘めている。そのため代替となるバッテリーの開発も進んでおり、すでに商用化されているものもある。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事