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ライフ #「ゴミ屋敷」孤独な部屋の住人たち

「10年ぶりに"会った"弟が…」その部屋で姉が見た、"あまりにむごい現実" 「放置したのが悪い」と叩く人は《ゴミ屋敷の事情》を知らない

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育児に疲れた母親が子どもを、介護に疲れた子どもが親を殺してしまう事件が時折起きている。二見氏はこの仕事を続けるうちに、そういった事件の背景について、より真剣に考えるようになった。

「赤ちゃんポスト(熊本市・慈恵病院にある『こうのとりのゆりかご』)ってあるじゃないですか。誰でも匿名で赤ちゃんを預けることができますよね。昔からその匿名性の是非について議論が行われていて、私は批判的な考えを持っていたんです。だって、赤ちゃんにだって大人になったときに出自を知る権利があるじゃないですか」

弟の死と向き合い、あとは家族でゆっくり片付けをしたいという依頼主のために、家具類は残したままでいったん作業を中断した。写真はダイニングの様子(写真:イーブイ片付けチャンネル」より)
イーブイがあらかたゴミを搬出したところで、ここから3カ月かけて遺品整理をすると話す依頼主(写真:イーブイ片付けチャンネル」より)

そもそも人間の想像力は乏しい

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ただ、その意見を、カウンセラーの知人に話したところ、「二見さんは想像力が足りていない」と指摘された。

赤ちゃんを預けた本人がまだ10代で、母親の交際相手から性的虐待を受けており、その末に妊娠したのかもしれない。交際相手のことは憎いが、母親のことは悲しませたくない。縁も切りたくない。そうなると、匿名で赤ちゃんポストに頼るしかない。

匿名なので明らかにされることはないが、そんな事情が隠れているかもしれない。

「それを聞いたときに、人間の想像力ってやっぱり乏しいんだなと再認識したんです」

以来、二見氏はゴミ屋敷の背後にあるそれぞれの事情を、より知りたいと思うようになった。

遺品整理後、ダイニングやその隣の和室を一掃した。部屋の中を見て、弟に思いを馳せる依頼主(写真:イーブイ片付けチャンネル」より)
台所もきれいに片付き、何もなくなった(写真:イーブイ片付けチャンネル」より)

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