育児に疲れた母親が子どもを、介護に疲れた子どもが親を殺してしまう事件が時折起きている。二見氏はこの仕事を続けるうちに、そういった事件の背景について、より真剣に考えるようになった。
「赤ちゃんポスト(熊本市・慈恵病院にある『こうのとりのゆりかご』)ってあるじゃないですか。誰でも匿名で赤ちゃんを預けることができますよね。昔からその匿名性の是非について議論が行われていて、私は批判的な考えを持っていたんです。だって、赤ちゃんにだって大人になったときに出自を知る権利があるじゃないですか」


そもそも人間の想像力は乏しい

ただ、その意見を、カウンセラーの知人に話したところ、「二見さんは想像力が足りていない」と指摘された。
赤ちゃんを預けた本人がまだ10代で、母親の交際相手から性的虐待を受けており、その末に妊娠したのかもしれない。交際相手のことは憎いが、母親のことは悲しませたくない。縁も切りたくない。そうなると、匿名で赤ちゃんポストに頼るしかない。
匿名なので明らかにされることはないが、そんな事情が隠れているかもしれない。
「それを聞いたときに、人間の想像力ってやっぱり乏しいんだなと再認識したんです」
以来、二見氏はゴミ屋敷の背後にあるそれぞれの事情を、より知りたいと思うようになった。


記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら