資金調達に困った企業の駆け込み寺「桐生のバフェット」に買い場到来。グロース市場改革で「上がりますよ。面白いほど」
そのグロース市場の改革に東京証券取引所が乗り出したことで、須田氏のような小型株投資家が大きなリターンを得る確率が高まる可能性がある。東証は4月、グロース市場の上場維持基準を従来の「上場10年経過後から時価総額40億円以上」から「上場5年経過後から時価総額100億円以上」へと変更する方針を示した。
東証の資料によると、3月末時点で同市場に上場する600社余りのうち見直しの影響を受けるのは約200社。うち約3割はスタンダード市場への変更基準に達しておらず、上場廃止のリスクがある。
桐生出身の須田氏は地元の高校を卒業後、東京・蒲田でおでんの屋台を始めた。その後、不動産業界に身を投じ、独立してゴルフ場用地の地上げで富を築いた。自ら起業した「やすらぎ」(現カチタス)では日本では珍しかった中古住宅のリフォーム事業で成功を収め、実業家を引退して以降は投資業に専念している。
須田氏の投資先は、無配企業ばかりでもっぱらキャピタルゲイン狙い。経営者の資質は「長くて1時間ぐらいだけど話しているとある程度分かる」といい、この手法で「95%はだいたい成功」してきたと自負する。2017年から18年にかけて株価が急騰した北の達人コーポレーション株の取引でも一定の利益を出し、これまで平均して年10%程度のリターンがあるという。
上場ゴール
産業革新投資機構(JIC)の久村俊幸最高投資責任者(CIO)はインタビューで、規模の小さい新規株式公開(IPO)の場合、上場で得た資金が枯渇した後、市場から調達できないままくすぶっている企業が多いと指摘する。JICはスタートアップなど新興企業向けのファンド運営も手掛ける。
独立系株式調査会社、雨宮総研の雨宮京子社長によると、株価低迷の背景には、創業者が上場益を手にして経営に熱意をなくす「上場ゴール」と呼ばれる問題を含めさまざまな要因がある。基準の変更で企業側が業績をよくすることに取り組むと考えられ、「投資妙味がある」と指摘。須田氏のような投資家にとっては追い風となるとの見方を示した。
とはいえ投資対象の企業の株価が低迷を続ければ、上場廃止となるリスクもあり、銘柄選別が重要になる。