スウォッチが「攻めの広告戦略」で大炎上して謝罪、なぜアジア人差別と受け取られかねない広告を出したのか

瞬時に関心を集めることに価値がある「アテンション・エコノミー」の時代を迎え、さらにトランプ米政権が多様性に対する戦いを宣言する中で、企業は「攻めの広告戦略」を採用しつつある。だがそれは幾つものリスクを伴う。
スイス時計大手スウォッチは最近、アジア人差別と受け取られかねない広告を出した問題で謝罪に追い込まれた。
「つり目」のようなポーズ
アジア人男性モデルが目尻を両手で引き上げ「つり目」のようなポーズをした画像を使ったこの広告が、注目を得ようと意図的に作成されたかどうかは分からない。
それでもスウォッチは広告を取り下げ、ロイターに「こうした仕草の及ぼす影響を認識しなかった、やる気のある若いチームのしくじりだった。画像によって誰かを傷つけようと考える意図は全くなかった」と釈明した。
米国で多様性推進の動きが後退するとともに、従来の規範を破るような広告を展開する動きはスウォッチ以外にも広がっている。
消費者が節約志向を強め、情報の氾濫によってすぐ記憶が書き換えられてしまうことが、企業がリスクの高い広告を通じて何とか競合他社より目立とうとする姿勢に拍車をかけている面もある。