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大地震が発生したとき、避難に鉄道は使えるのか 「動かすべきだったのでは」と鉄道会社社長

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  • 櫛田 泉 経済ジャーナリスト
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さらに2024年9月、内閣府は大規模地震時医療活動訓練でJR貨物と日本通運との協力の下、兵庫県災害医療センターをはじめとする医療機関と連携し、救急車やドクターカーなど複数の救急車両を鉄道輸送している。救急車のトヨタ・ハイメディックやドクターカーのトヨタ・ランドクルーザーはJR貨物の屋根付きの汎用コンテナに収まらないことから、屋根のないオープントップコンテナに車両を搭載。大阪の百済貨物ターミナル駅から神奈川の相模貨物駅に車両の輸送を行っている。この輸送の技術検討と検証、そして技術アドバイスをRail-DiMeC研究会が行っている。

救急車両の鉄道輸送の効果についても山田氏は「これまではそれぞれの医療スタッフが自ら長時間クルマを運転して被災地に赴いていたが、疲労面などで医療スタッフの負担が重かった。あらかじめ医療資機材や車両を被災地近くの貨物駅まで鉄道輸送し、医療スタッフは後から新幹線や飛行機で現地入りすれば、医療スタッフの負担を減らせるばかりか、スタッフを派遣する病院にとっても医師不在の日数を減らすことにつながる可能性がある」と力説する。

山田和昭(やまだ・かずあき)⚫︎1963年東京生まれ、早稲田大学理工学部卒。1987年からIT業界でシステム開発営業やマーケティングに従事。2012年に由利高原鉄道のITアドバイザーに就任、その実績を基に2013年に地域鉄道の業務支援を行う合同会社日本鉄道マーケティングを設立。その後、若桜鉄道、津エアポートライン、近江鉄道を経て、2024年から日本鉄道マーケティングの業務を再開(編集部撮影)

災害対策への鉄道の活用を

2022年のロシア軍によるウクライナ侵攻による影響で、近年は「有事の際や災害時の物資輸送や避難経路として鉄道の活用を求める声」も上がり始めている。筆者は2022年7月5日付記事(「国防上も重要」鳥取県知事が説く地方鉄道の意義)や2025年5月6日付記事(JR西日本株を自治体が「1億円分購入」その狙いは?)では、鳥取県の平井伸治知事や岡山県真庭市の太田昇市長の声も記事にした。

災害の発生時や発生後において、被災者の避難や物資輸送を自動車交通のみに頼ることの限界が浮き彫りとなっているが、これを契機に今後は災害対策への鉄道の活用に向けての議論が進み、政策に活かされることを願いたい。

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