大地震が発生したとき、避難に鉄道は使えるのか 「動かすべきだったのでは」と鉄道会社社長
これによってJR東日本では、東海道線や横須賀線だけではなく、首都圏から東北地方にかけての広範囲の路線で終日運休となった。その一方で、京浜急行電鉄などの私鉄路線では運休となる区間は海岸に近い一部の区間に限られるなど対応が分かれた。
7月30日の津波警報の発令によって、災害時に実際の鉄道の現場ではどのような問題が浮き彫りになったのか、ひたちなか海浜鉄道社長の吉田千秋氏に話を聞いたほか、災害後の鉄道活用の重要性についても若桜鉄道元社長の山田和昭氏に話を聞いた。
列車の運休により阿字ヶ浦駅に取り残された人も
茨城県ひたちなか市の勝田駅と阿字ヶ浦駅を結ぶひたちなか海浜鉄道湊線では、ロシア極東での地震発生直後は通常通り列車の運行を続けていた。その後、9時40分になり気象庁から茨城県の沿岸部に対しても津波警報が発表された。この津波警報に伴って、ひたちなか海浜鉄道では海岸部となる那珂湊―阿字ヶ浦間で列車の運行を取りやめた。ひたちなか市では、海岸に近い地域を中心に避難指示を発令。「直ちに高台に避難する」ことや、市内15カ所に開設した避難所への避難が呼びかけられた。
ひたちなか海浜鉄道が運行する湊線のルートは、内陸にある勝田駅から那珂川の北側を太平洋方面に進み、那珂川の河口に拓けた那珂湊の市街地にある那珂湊駅を通り、そこから海岸線に近いルートを北上し、終点の阿字ヶ浦駅に至る。こうしたことから、本社と車両基地のある那珂湊駅周辺にも避難指示が発令されたという。
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