5人の命が奪われたタイタニック見学ツアー事故の全容を、オーシャンゲートCEOの実態とともに沿岸警備隊が報告
沿岸警備隊海洋調査委員会のジェイソン・ノイバウアー委員長は声明で今回の調査結果が将来の悲劇の回避に役立つだろうとし、「既存の規制枠組みを外れたところで新たなコンセプトを模索している事業者に対して、より強力な監督と明確な選択肢が必要だ」と述べている。
またノースカロライナ州キャンベル大学の海洋史教授サルバトーレ・メルコリアーノ氏は、オーシャンゲートは、規制を執行する責任が誰にあるかが不明確な海洋法のグレーゾーンを悪用できたと指摘し、沿岸警備隊をはじめとする国際的な海上機関は今後、特に民間の潜水艇に関する規制において、協調体制の強化とより明確な執行メカニズムの確立を目指すことになるだろうとの見解を述べている。
新たなタイタニック見学ツアーが誕生へ
沿岸警備隊の報告書発表に前後して、オーシャンゲートとは別の新たなタイタニック号見学ツアーを、新たな企業が計画していることが報じられている。
トリトン・サブマリンズと称する潜水艇メーカーのCEOパトリック・レイヒー氏は、New York Postに対し、来年までに2000万ドルの費用を投じて、オーシャンゲートのタイタンよりもはるかに高い安全基準を満たす新型潜水艇「Triton 4000/2 Abyssal Explorer」を完成させたいと語った。

レイヒー氏は、タイタニックが「歴史的に重要な沈没船であることに加え、これほど深い場所に沈んでいるという事実が、訪れる価値を高めている」と述べた。
New York Postはまた、ある情報筋から「数週間以内に誰かがタイタニック号に行くと聞いた」との情報を得たと報じている。それが誰なのかは不明だが、間違いないのはその人物が大富豪であり、1000万ドル以上の費用も(タイタンの乗船費用は1人あたり25万ドルだった)支払うつもりであるようだ。
ちなみに、英BBCは昨年5月にオハイオ州の不動産投資会社コナー・グループのトップで冒険家でもあるラリー・コナー氏が、レイヒー氏とともに独自の潜水艇でタイタニック号への探検を計画していると伝えている。
New York Postは「誰か」が誰なのかについては触れていないが、コナー氏は2022年に、SpaceXの宇宙船に乗って国際宇宙ステーション(ISS)への旅行も経験済みで、このときの費用は数千万ドルだったと言われている。ならば、タイタニック号への旅費も余裕で出せる人物であることは間違いなさそうだ。お金が余って余って仕方ないほどにもなれば、人はたとえほんの短時間でも、宇宙や海の底など、普通の人が到底体験できないような旅行への出費を惜しまないものなのかもしれない。
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