5人の命が奪われたタイタニック見学ツアー事故の全容を、オーシャンゲートCEOの実態とともに沿岸警備隊が報告
タイタンの圧潰事故のニュースは世界を駆け巡り、多くの人々を驚かせた。そしてこのような大きな事故は、当然ながら監督機関による事故原因の究明と、検証作業を通じた再発防止の対策を講じる必要が生じる。そのため、事故後には残されたオーシャンゲートのスタッフや沿岸警備隊、海洋専門家などによって事故の検証作業が行われ、事故発生から2年が過ぎた2025年8月5日、事故の全容をまとめた報告書が発表された。
報告書が浮き彫りにするCEOの無謀さ
発表された報告書について、沿岸警備隊海洋調査委員会のジェイソン・ノイバウアー委員長は、オーシャンゲートが利益優先のあまり安全上の懸念を軽視し、安全確保のためにとるべき対策を一貫して回避していたことがわかったとして「5人の命の損失は防止できたはずだった」と述べた。
さらに「オーシャンゲートは業界の専門家や社内スタッフからの警告を無視し、安全性よりも運用上の目標と財務上の配慮を繰り返し優先した」と続け、「オーシャンゲートの一貫した怠慢のパターンは、適切な保管の無視、運用の省略、厳格な安全性評価の実施の失敗において明らかであり、コストと時間の節約を安全性よりも優先するという問題を強調している」と評した。
報告書は、タイタンの事故をあらゆる角度から分析する一方、オーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEOが、安全に関する規制をほとんど無視し、関係機関による調査などを「威圧的なやり方」によって回避するなど、非常に素行のよろしくない人物であったことを浮き彫りにしている。そして、もしラッシュ氏が生還していたとしても、起訴されていただろうと述べている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら