減らない社会保険加入を怠る未適用事業所、請負で保険料逃れも

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委託、請負に替え保険料負担を逃れる

もう一つの大事な論点が、短時間労働以外の働き方をしていて、社会保険が適用されない非正規労働者の存在だ。近年、特に問題視されているのが、雇用契約を「委託」や「請負」と呼ばれる契約に切り替え、社会保険料負担を免れようとする企業の動きだ。

従業員を働かせる場合、通常、企業は労働者と直接雇用契約を結ぶ。しかし、委託や請負という形で仕事をさせれば、労働法の適用がなく、労働者と直接雇用契約を結んだ場合に必要な社会保険料負担を免れることができる。

中には、「雇用契約で基本給や通勤費など月13万円、請負契約で委託料など月12万円、合計で月25万円」というように、雇用契約と請負契約を半分ずつ組み合わせる、特殊なケースも現れている。この場合、雇用契約だけの場合と比べて、社会保険と労働保険料負担は約半分近く節約される。

日本労働組合総連合会東京都連合会(連合東京)の古山修・組織化推進局長は「業務が少なくなったときに人件費を調整しやすいため、雇用契約を委託や請負に切り替える動きが1990年代から登場し始めた。運送会社や飲食店、スーパー、病院などで、どんどん広がっている」と指摘する。

(撮影:ヒラオカスタジオ =週刊東洋経済2012年4月14日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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